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~純太の詩~

徒然の俺の言葉達です。
喫茶店にて
ぶ厚い雲からの薄明るさを浸透させ
豊潤な汚れにして無常の朽ちを顕す喫茶店だった

カウベルの響きにタンカー船を見る
シナのカウンターに
船頭がゆるりゆるりと漕ぐ
導きの小船は漂う

こんな灯火こそ
過去の自暴自棄を鯉幟にしてくれる

ゆらりゆらり帆のように

店の隅っこに座る男が
褐色の天井に漫画を映写していた
漫画からは聞き覚えのある蓄音機の調べ
漂う ただ漂う
心地よい沈鬱

暇な顔をした彼女に
源泉の湯気の話をされたマスターは
天井に写る漫画を見ながらサイフォンの中の
コーヒーの粉と湯と若気の過ちをスプーンで混ぜた
俺は次第に漫画なんかどうでもよくなって
カウンターの小船を動かす

俺の人生は目を覚ましているのか寝ているのか
霧こそタトヌマン
それは俺の自由であり仲間なのだと
# by air-grey | 2006-03-19 07:46 |
一張羅
仕舞われたままの一張羅に
何の価値があるのか
俺はクリーニングから戻ってきた礼服を
箪笥に仕舞い込みながらそう思った

結婚は神に養いを誓い
弔いは仏に後継を誓い
一貫性が無い人生に
疑うこともなく
我は無神論を

帰り道だった朝
軽いゴミばかりが入ったゴミ袋が
道路のあちこちに飛んで転がっていた
一人一人が網を気にするようになるには
まだ時間が掛かるのだろう
# by air-grey | 2006-03-17 23:28 |
色男
生まれてこのかた
親親戚に時々に
「色男になってこい」と言われ
床屋に数百回行けど
未だ色男にならず

理髪師のネーちゃんは今日も
真ん中分けで来た俺の頭を
オールバックにして見送った



真ん中分けにしろ

そんなに短くしてねんだから



と言えなかった俺は
やはり逸材ではない
男なのかもしれない
# by air-grey | 2006-02-05 21:41
雲ばかり

空ばかり流れる雲なら

風の中を流れる雲にしてしまえ


地球上で悩み多きなら

いっそ心の中に

地球を入れてしまえ
# by air-grey | 2006-01-18 23:07 |
逆行
戦争の前夜
挑む者はどのような心境だったか

逆行の世
傷みを知った者極楽へ行けば
そこは癒しの都
しかし教訓を地獄へ葬る

子が親を殺し
親が子を殺す
向こう三軒両隣互いに挨拶もなし
他人の子供を叱る人も夢
叱れば地獄の粉が天より舞う
と洞察する現実
そしてその現実はブラウン管から
より現実に放射される
悲しき悲しき

競争の中では
いつからか悲劇の主人公で振る舞い
ついで脳みその回転が良くなったゆえ
心の悟りも得たと勘違い
病んだ己と太陽の眩しささえ
他人のせいにし
人に苦言を贈呈されれば
修羅の命でわがままを通す

真実の歯軋りの音は
今は聞こえない


おい どこかで
涙が我慢をしているよ


殴られる痛みを潜り抜けようなんて
そんな世間知らずは極少
あの頃の血潮は
親子や兄弟なのではなく
皆が人間の価値を知っていた
長き安逸は暗黒を招くことも
だから人への思いも不動だった

きっとそうしなければ
あの戦争がまたやってくると
漠然と皆に漂っていたのだ
# by air-grey | 2006-01-08 13:22 |


by air-grey
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